【導入事例】Trivium Packagingが3Dプリントで部品コスト95%削減|UltiMaker

金属容器メーカーのTrivium Packagingは、缶蓋を搬送する交換部品を3Dプリントで内製化し、外注していた従来部品と比べて部品コストを95%削減しました。UltiMakerが2026年2月に公開した事例によると、調達期間も数週間から数時間に短縮しています。使われたのはUltiMaker S5と炭素繊維強化材料「Nylon CF Slide」です。
目次
この事例の要点
- 対象部品:缶蓋をコーティング槽へ送る「アノードワーム」
- 造形環境:UltiMaker S5、CC 0.4プリントコア、Nylon CF Slide
- 報告された成果:部品コスト95%削減、調達期間を数週間から数時間へ短縮
- 付随する効果:溝形状の最適化による搬送の改善と、清掃工程の削減
なぜアノードワームを作り直したのか
アノードワームは、缶蓋をコーティング槽へ送り込む搬送部品です。缶蓋との接触が続くため、低摩擦性に加え、摩耗、薬品、湿気への耐性が求められます。コーティング工程で缶蓋に電気を通す必要もありました。
従来の発泡材製部品は摩耗による交換が必要で、外注すると調達にも時間がかかっていました。Triviumは、静電気対策、低摩擦、PFASフリーという条件を踏まえ、3Dプリントによる内製化を検討しました。
UltiMaker S5とNylon CF Slideをどう使ったか
エンジニアリングチームは、UltiMaker S5にCC 0.4プリントコアを装着し、Nylon CF Slideでアノードワームを造形しました。UltiMakerの材料紹介では、Nylon CF Slideを低摩擦性と耐摩耗性を備えたPFASフリーの炭素繊維強化ナイロンとして説明しています。
自社で設計できるようになったことで、チームは缶蓋に合わせて部品の溝を調整しました。UltiMakerの報告では、この形状変更により搬送が滑らかになり、ライン上の詰まりも減っています。

現場で報告された3つの効果
1. 部品コストを95%削減
外注していた発泡材製部品から3Dプリント品へ切り替えた結果、対象部品のコストが95%下がったとUltiMakerは報告しています。これはTriviumの部品と比較条件で得られた実績です。
2. 調達期間を数週間から数時間へ短縮
部品を現場で製作できるようになり、外注調達に要していた数週間が数時間になりました。形状の変更も外部への再発注を待たずに試せます。
3. 清掃工程と周辺部品の摩耗を抑制
生産テストでは、コーティング材がNylon CF Slide製部品に付着しにくく、清掃工程を一つ省けたとのことです。低摩擦性により、接触する金属部品の摩耗も抑えられました。Triviumはその後、主要生産ラインの同種部品を3Dプリント品へ置き換え、他拠点への展開も計画しています。
交換部品の内製化で確認したいこと
この事例から、交換部品の内製化では「同じ形を造形できるか」だけでなく、使用環境と部品形状を一緒に評価することが大切だと分かります。国内の製造現場で検討する際も、次の項目を実機で確認すると判断しやすくなります。
- 接触と摩耗:搬送対象や周辺部品に傷・摩耗が生じないか
- 工程環境:薬品、湿気、温度、電気的条件に適合するか
- 寸法と清掃:造形した溝や接触面が安定し、清掃手順に影響しないか
- 費用比較:材料費だけでなく、設計・造形・後処理・交換作業を含めて比較できるか
95%の削減率はTriviumの事例値であり、他の部品で同じ結果を保証するものではありません。一方、材料選定と形状の見直しを同時に進める考え方は、治具や交換部品の内製化にも応用できます。
UltiMakerの導入・造形相談
APPLE TREE株式会社では、UltiMaker製品の導入や材料選定、造形用途についてご相談を承っています。交換部品や治具の内製化をご検討の方は、UltiMaker製品ページまたは導入のご相談をご利用ください。
出典:UltiMaker「High-Performance Packaging: How Trivium Packaging Achieved 95% Cost Savings with Nylon CF Slide」(2026年2月24日公開)。本文は同記事を基に独自に構成し、写真は同記事の掲載画像を使用しています。















