大型3Dプリンター6選!業務用・家庭用別に特徴や価格を紹介
- 3Dプリンター
- 2024.9.13
- FLASHFORGE Markforged 業務用3Dプリンター
3Dプリンターの技術革新が進み、大型造形が可能な高性能モデルが販売されています。業務用だけでなく、家庭用の3Dプリンターでも、従来の小型モデルの3Dプリンターでは実現できなかった大型の造形物を、より手軽に製作できるようになってきています。
本記事では、業務用から家庭用まで、大型造形に対応した最新の3Dプリンター6機種を厳選して紹介します。製造業や建築、教育現場での活用はもちろん、趣味やDIYなど幅広い用途に対応可能な機種を揃えました。各機種の特徴や性能、価格帯を詳しく解説し、用途に合った最適な機種の選択をサポートします。
また購入前に利用したい「無料サンプル造形」や、よくある質問もまとめていますので、大型3Dプリンターの導入を検討されている人は、最後までご覧ください。
目次
大型3Dプリンターはこんな方・企業におすすめ
大型3Dプリンターは、その特性から以下のような方々や企業におすすめです。
- 大型の試作品や最終製品の部品を製作する企業
- 大型の建築模型やインテリア製品の試作品を制作する企業
- 教育機関で大型の設計プロジェクトを実際に形にしたい学生
- 大型の小道具や舞台セットの一部を製作する映画や舞台の制作会社
- 人体の大型模型や医療機器の試作品を制作する医療機関
- 趣味で大型のフィギュアやコスプレ小道具を製作したい方 など
上記の方々や企業は、大型3Dプリンターの導入により、製作プロセスの効率化、コスト削減、そして創造性の向上が期待できます。大型造形物の一体製作や複数の小型パーツの同時製作も可能です。
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大型造形可能な業務用3Dプリンター4選
ここからは、大型造形可能な業務用3Dプリンターを4つ紹介します。大型3Dプリンターといっても、明確な基準があるわけではありません。
本記事では製作可能な造形物のサイズで、大型3Dプリンターを定義します。具体的には、奥行・幅・高さのすべてが、業務用の場合300㎜以上、家庭用の場合200㎜以上を大型としました。
Guider 3 Ultra【最大造形サイズ:330×330×600mm】
FLASHFORGE製の「Guider 3 Ultra」の最大造形サイズは、330×330×600mmです。超高速アルゴリズムと軽量・安定した構造設計が採用されており、振動補正性能の向上しています。その結果、連続的かつ安定した高速動作を実現しています。
吹き出し冷却システムは、強力なデュアルファンが採用されており、ノズルから押し出されたフィラメントを迅速に冷却します。そのため高速印刷モードでも、各層のフィラメントが適切に冷却されるため、高い成形精度が得られます。
価格は、100万円以下です。
Creator4S【最大造形サイズ:400×350×500mm】
FLASHFORGE製の「Creator4S」は、最大造形サイズが400×350×500mmの大型3Dプリンターです。カーボンファイバーから一部のスーパーエンプラまで幅広い素材に対応した熱溶解積層方式の製品で、試作から最終製品製造まで対応可能です。
ヒートチャンバーを搭載しているため、庫内温度を最大65℃まで温めることができます。そのため、造形中も一定の温度を保って印刷でき、ABSなど収縮の大きい材料でも反りを抑えた安定した造形が可能です。
本体価格は100万円台です。
FX20【最大造形サイズ:525×400×400mm】
Markforged製で最も大きな造形サイズを実現した「FX20」は、最大造形サイズ525×400×400mmを誇る大型3Dプリンターです。Markforged独自のCFR(Continuous Fiber Reinforcement)技術が採用されているため、連続炭素繊維でパーツを補強して、強度を高めることが可能です。
FX20の3Dプリントは、2つの異なる材料を組み合わせて行われるのが特徴です。表面を樹脂材料で形成し、カーボンファイバーなどの繊維材料で内部を補強します。より耐久性の高いパーツが必要な場面でおすすめの機種です。
価格はお問い合わせください。
下記のページでは、FX20の導入事例を紹介していますので、あわせてご覧ください。
【導入事例】SQP Engineering社:ドリルビットゲージ用キャリパー
FX10【最大造形サイズ:375mm×300mm×300mm】
Markforged製の「FX10」は、最大造形サイズが375mm×300mm×300mmの大型3Dプリンターです。光学センサーがプリントヘッドに取り付けられているのが特徴で、部品の寸法精度を検証し、デバイスの状態と性能を評価します。校正と材料交換を自動で行えるため、ユーザーの操作を最小限に抑えます。
7インチの大型タッチスクリーンが搭載されており、プリントの開始からマシンの状態確認、手動制御、自動校正作業を1つのデバイスで管理可能です。
価格はお問合せください。
業務用3Dプリンターを検討している方は、下記のページも参考にしてください。
業務用3Dプリンターのメーカーとおすすめ機種を紹介!失敗しない選び方は?
大型造形可能な家庭用3Dプリンター2選
続いて、大型造形可能な家庭用3Dプリンターを2つ紹介します。価格は、家庭用の3Dプリンターの方が低価格です。そのため、趣味で大型3Dプリンターを使いたい方や低価格で高性能な3Dプリンターを探している方は、これから紹介する2つを比較検討すると良いでしょう。
Adventurer5M【最大造形サイズ:220×220×220mm】
FLASHFORGE製の「Adventurer5M」は最大造形サイズ220×220×220mmの3Dプリンターです。箱から取り出せば組み立て不要ですぐに使えるため、お子さまでも簡単に扱うことができます。
自動レベリングシステムが搭載されているため、ノズルの高さとプラットフォーム間を適切に補正します。第一層の印刷が完璧に仕上がるため、初心者でも安心して造形物の製作にチャレンジできるでしょう。
価格は60,500円(税込)です。
Adventurer5M Pro【最大造形サイズ:220×220×220mm】
FLASHFORGE製の「Adventurer5M Pro」は、Adventurer5Mと同じ最大造形サイズが220×220×220mmの3Dプリンターです。箱から取り出し、10分以内にセットアップが完了するため、初心者やお子さまでも気軽に印刷を楽しめます。
完全自動レベリングにより、第一層の印刷が完璧にできたり、クイックリリースノズル機能で、多彩なノズル径を選択できたりするため、初めて3Dプリンターを導入するという人にもおすすめです。
価格は84,700円(税込)です。
3Dプリンターを比較検討する際は、下記のページも参考にしてください。
値段別3Dプリンターのおすすめ13選!価格相場や失敗しない選び方は?
購入前に実物を出力したいなら「無料サンプル造形」
大型3Dプリンターを購入する前に、どのような造形物が製作できるのか確認したい場合もあるでしょう。最大造形サイズが示されていても、実際の造形物を見ないと実感がわかないという人もいるかもしれません。
そのような人は「無料サンプル造形」を活用するのがおすすめです。ただし、全ての3Dプリンターで無料サンプル造形が利用できるわけではありません。
詳細については購入前相談からお問い合わせください。
大型3Dプリンターに関するよくある質問
ここでは大型3Dプリンターについて、よくある4つの質問についてまとめます。
大型3Dプリンターを使うメリットは?
大型3Dプリンターの導入には、多くのメリットがあります。まず、大型の試作品や部品を一度に製作できるため、製品開発のスピードが大幅に向上します。複数の小型パーツを組み立てる必要がなくなるため、製作時間と労力を削減可能です。
さらに、大型3Dプリンターは小型のモデルを複数同時に印刷できるため、生産効率が向上し、コスト削減にもつながります。建築模型や大型の装飾品、医療用の人体模型など、幅広い分野で活用できるのも大きな利点です。
大型3Dプリンターを使うには特別な素材が必要ですか?
大型3Dプリンターは、一般的な3Dプリンター用素材に加え、より高機能な材料にも対応しています。基本的には、PLAやABSなどの汎用プラスチックを使用できますが、大型造形の特性を活かすために、より高性能な素材も選択可能です。
例えば、PA(ナイロン)やPC(ポリカーボネート)などのエンプラ素材は、耐衝撃性や耐薬品性などに優れており、最終製品として造形する場合におすすめです。また、機種によっては、強度と熱伝導率に優れた素材のカーボンファイバーが使用でき、さらなる強度向上も期待できます。
素材の選択は、造形物の用途や要求される特性によって異なります。耐久性、柔軟性、耐熱性、着色のしやすさなど、様々な要素を考慮して最適な素材を選ぶことが重要です。
できるだけ安く大型3Dプリンターを導入したい
価格を抑えて大型3Dプリンターを導入するには、いくつかの方法があります。
業務で使用するのであれば、経済産業省が推進する、中小企業の設備投資を支援する制度「中小企業経営強化税制」を活用するのがおすすめです。中小企業が新たな設備を導入する際に、その費用を軽減するための税制優遇措置で、即時償却または税額控除の最大10%の優遇措置が受けられます。
また、中古や再生品の大型3Dプリンターを検討するのも一案です。信頼できる販売元から購入すれば、新品よりも大幅に安価で導入できる可能性があります。ただし、保証や性能面でのリスクも考慮しなければなりません。
次に、リース・レンタルオプションの活用も検討しましょう。初期投資を抑えつつ、最新の大型3Dプリンターを利用できます。使用頻度や期間に応じて柔軟に対応できるのも利点です。
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大型3Dプリンターの欠点は何ですか?
大型3Dプリンターにも当然、欠点も存在します。まず、導入コストが高いことがあげられます。大型の造形に対応するため、機器自体が大きく、高性能な部品を使用しているため、初期投資が大きくなってしまいます。
大型造形特有の問題として、熱による歪みや変形のリスクもあるでしょう。造形物が大きくなるほど、材料の冷却や収縮による影響が大きくなってしまうため、精度の維持が難しくなることがあります。
また、大型3Dプリンターは、十分な広さの設置スペースが必要です。業務用であれば、オフィスや工場のレイアウトに大きな変更を加える必要があるかもしれません。家庭用であっても、部屋のどこに置くか事前に確認してから購入した方がいいでしょう。
まとめ
2024年版の大型造形可能な3Dプリンターを、業務用4機種、家庭用2機種の合計6機種を紹介しました。大型3Dプリンターは、製造業、建築、教育など幅広い分野で活用でき、製品開発の効率化や創造性の向上に貢献します。また家庭でも、より大きな造形物が製作できるため有効です。
本記事を参考にして、造形サイズ、精度、使用目的、コストなどを総合的に判断し、最適な機種を選択しましょう。導入を検討する際は、「無料サンプル造形」を活用するのもおすすめです。弊社では3Dプリンターを導入したい企業や教育機関の方々向けに導入サポートを実施しています。
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そんな方はお気軽にご相談ください。