【2024年版】3Dプリンターの性能比較とおすすめモデル
- 3Dプリンター
- 2024.7.11
- FLASHFORGE
近年、技術の進化と低価格化に伴い、3Dプリンターは以前よりも手軽に導入できるようになりました。しかし、いざ購入しようとすると、製品も多く「どれを選べばよいかわからない」「どの数値を比較したらいいのか難しい」と感じている方もいるでしょう。
そこで本記事では、3Dプリンターの種類と特徴を解説し、おすすめの家庭用・業務用3Dプリンターの性能を比較します。3Dプリンターの導入を検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
目次
3Dプリンターの種類と特徴
ここでは3Dプリンターの印刷方式に着目して、それぞれの特徴やメリット・デメリットをみていきます。
メリット・デメリットを踏まえて、目的に合う3Dプリンターを選ぶことが大切です。
熱溶解積層方式
熱溶解積層方式の3Dプリンターでは、プラスチックなどの材料を用いたフィラメントに熱を加え、ノズルから溶かした材料を一層ずつ積み重ねていく方式です。メーカーによって、FFF方式やFDM方式と呼ばれます。
熱溶解積層方式のメリットは下記の3つがあげられます。
- 溶けた材料は空気に触れて冷えて固まるため、後処理が少ない
- 材料の種類やカラーバリエーションが豊富
- 大きな作品の製造にも対応している
一方で、下記のようなデメリットもあります。
- 熱の跡が残るなどして、造形物の表面が粗くなりやすい
- 光造形方式と比較すると、造形精度に劣る場合がある
光造形方式
光造形方式の3Dプリンターは、紫外線レーザーやプロジェクターの光をレジンと呼ばれる液体樹脂に照射して、硬化させて造形する方式です。照射する光の種類によって、SLA方式やDLP方式、LCD方式などと呼ばれます。
光造形方式のメリットは下記の通りです。
- 熱溶解積層方式と比較すると、造形精度が高い
- 造形物の表面が滑らかに仕上がる
また、デメリットは下記のようなものがあります。
- 大きな造形物には不向き
- 熱溶解積層方式と比較すると、材料費が高い
3Dプリンターの造形方式について、こちらのページでも詳しく解説しています。
3Dプリンターの種類は?造形方式別の特徴・メリット・デメリットを解説
【性能比較表】おすすめの業務用・家庭用3Dプリンター6選
ここからは、おすすめの業務用・家庭用3Dプリンターを紹介していきます。
今回紹介するのは、弊社で取り扱いのある3Dプリンターです。
機種名 | 業務/家庭 | 方式 | 造形サイズ | 造形精度 | 最高造形速度 |
Adventurer5M | 家庭用 | FFF | 220×220×220mm | ±0.2mm | 300mm/s |
Adventurer5M Pro | 家庭用 | FFF | 220×220×220mm | ±0.2mm | 300mm/s |
Creator4s | 業務用 | FFF | 400x350x500mm | ±0.2mm | 200mm/s |
Guider3 | 業務用 | FFF | 300x250x340mm | ±0.15mm | 250mm/s |
Guider3 Ultra | 業務用 | FFF | 330×330×600mm | ±0.15mm | 500mm/s |
Creator3 Pro | 両用 | FFF | 300x250x200mm | ±0.2mm | 150mm/s |
それぞれ性能が異なるので、用途に合う性能の3Dプリンターを選びましょう。
FLASHFORGE製「Adventurer5M」
組み立てや複雑な調整が一切不要な「Adventurer5M」は、初心者でもすぐに利用できる家庭用3Dプリンターです。自動レベリングシステムが採用されているため、ノズルの高さとプラットフォーム間の違いを自動的に検出し補正されます。そのため、第一層の印刷の仕上がりが完璧に行われます。
0.25mm、0.4mm、0.6mm、0.8mmといった径の多彩なノズルは、瞬時に交換が可能なので、用途に適したノズル径を選びやすい製品です。
FLASHFORGE製「Adventurer5M Pro」
「Adventurer5M Pro」は、完全密閉型のデザインが採用されているため、親子で共にモノづくりを行う場合でも、安全に、かつ迅速に使用できる家庭用3Dプリンターです。箱から取り出し、10分以内にセットアップが完了するため、気軽にモノづくりを楽しむことができます。
振動補正機能が採用されており、造形物の表面をスムーズに仕上げます。またターボファンとデュアルエアダクトの二重冷却システムが、効果的なモデルの冷却を可能にしています。さらに12Wの冷却ファンが、熱の放散を強力にサポートします。
家庭用プリンターはこちらのページでも、詳しく解説しています。
コスパ最強のおすすめ家庭用3Dプリンター3選!選び方や作れるものも紹介
FLASHFORGE製「Creator4s」
「Creator4s」は、最終製品製造に対応した業務用3Dプリンターで、カーボンファイバーから一部のスーパーエンプラまで幅広い素材に対応した熱溶解積層方式の製品です。FLASHFORGE製のなかでも最上位機種で、複雑な形状の大型印刷にも対応しています。
庫内温度を保つために、ヒートチャンバーを搭載しているため、造形中も一定の温度を保ちながら印刷できます。ABSなど収縮の大きい材料を用いた場合でも、反りを抑え安定した造形が可能です。
FLASHFORGE製「Guider3」
X軸、Y軸の駆動制御にCore-XY構造が採用されている「Guider3」は、最高250mm/sの高速印刷を実現した業務用の3Dプリンターです。比較的小型でありながらも、広い造形スペースを確保しているため、見た目以上に大きな造形物を印刷できます。
材料はPLAやABSだけでなく、PCやPAのようなエンプラ素材にも対応した熱溶解積層方式の製品です。フィラメントを送り出すギア部分には、ダブルギアが採用されておりフィラメントの送り出しがスムーズに行え、ノズル詰まりの問題も抑えられています。
FLASHFORGE製「Guider3 Ultra」
Guider3よりもさらに高速で印刷できるのが「Guider3 Ultra」です。超高速アルゴリズムと軽量・安定した構造設計が採用された業務用3Dプリンターである本製品は、振動補正性能が向上されたことで、連続的かつ安定した高速動作を実現しています。
デュアルエクストルーダーを搭載したことで、オーバーハング、ブリッジ、中空構造といった複雑なモデルでも印刷可能です。また、エクストルーダー振動抑制アルゴリズムによって印刷中の振動が補正されるため、造形物の表面荒れが軽減されています。
FLASHFORGE製「Creator3 Pro」
「Creator3 Pro」は、家庭用と業務用の中間にあたる高品質な3Dプリンターです。左右独立して稼働するデュアルヘッドが採用されているため、シングルヘッドタイプの機種よりも多様な印刷に対応しています。
ステンレスノズルや超硬ノズルを採用すれば、PA-CFなどのカーボン配合フィラメントの出力にも対応しており、プロ顔負けの造形物を印刷可能です。また、印刷中に停電が発生した場合でも、電源復旧後に印刷を再開できるため、安心して使用できます。
おすすめの3Dプリンターは、こちらのページでも詳しく紹介しています。
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3Dプリンターの性能を比較する際に見るべきポイント
3Dプリンターの選択は、その性能比較が鍵となります。しかし、単に数値だけを見比べても、最適な機種を見つけるのは難しいでしょう。ここでは、3Dプリンターを選ぶ際に注目すべき重要なポイントを詳しく解説します。
用途に応じた選び方
3Dプリンターの性能を比較する際に、どのような用途で使用するかが重要です。下記のように、3Dプリンターはさまざまな用途で使用されています。
- 業務で使用するのか、個人で楽しむのか
- フィギュアのように飾るものを作るのか
- 歯車や部品のように強度が必要なものを作るのか など
用途を明確にせずに性能を比較すると、用途とは関係のない数値に目移りして、余計に混乱してしまうこともあります。
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造形精度と速度の比較
一般的に造形精度が高く成れば、造形速度はそれだけ遅くなってしまいます。業務用で使用する場合には、試作目的であれば多少速度は目をつぶってもいいかもしれませんが、量産目的で使用する場合には、速度が重要になってきます。
造形精度と速度を単体で比較するのも重要ですが、どの速度ならどれくらいの精度で造形できるかも比較しておくことも大切です。
素材の種類とコスト
それぞれの3Dプリンターには対応している素材が明記されています。素材ごとに費用も変わってきます。家庭用として使用するのであれば、高い素材には対応していなくても問題は少ないと思われますが、業務用であれば高級な素材にも対応している必要があるでしょう。
機種によって対応している素材が異なるため、利用目的に合った機種を選ぶようにしましょう。
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使用環境に合わせた本体サイズと造形サイズ
3Dプリンターを購入してみたものの、置き場所がなかったなんてことにならないよう、どこで使用するかを想定しておくことが重要です。場合によっては段ボールなどで、実サイズを再現して置いてみるのもいいでしょう。
また、機種によって造形できるサイズも異なります。どれくらいの大きさのものを作るのかを想定して、機種を選ぶようにしましょう。
メンテナンスのしやすさ
3Dプリンターを購入した後のメンテナンスのしやすさも重要です。印刷を開始する前のメンテナンスや、印刷後のメンテナンスなどに時間を要するようでは、なかなか使いづらいでしょう。例えば価格が安いからといって企業に家庭用3Dプリンターを導入しても、メンテナンスに時間をとられていては、だんだんと使われない存在になってしまいかねません。
可能であれば印刷前後のノズルの取り外しや、清掃などのメンテナンスの手軽さなどを、実機を見て比較するといいでしょう。弊社のショールームでは、3Dプリンターを手にとって体感していただけますので、ご希望の方はぜひお越しください。
まとめ
3Dプリンターの各機種の造形サイズや造形精度を比較してみると、違いが明確になり、用途に合うものが見つかりやすくなるでしょう。用途に合わせて、ご自身で同じような性能比較表を作ってみるのもおすすめです。
また各機種のカタログなどを見ると、より詳細な性能の情報が掲載されています。必要に応じてそちらの情報も確認なさってください。これらの情報だけでは比べられないという場合には、ショールームにて実機を確認してみるのも方法の一つ。弊社にご相談いただければ、目的や予算に合う3Dプリンターを提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。