3Dプリント製造サービス「DeepMaker」が支援したMAGARIMONO「alpha」の製造事例
- 2026.10.30

3Dプリント技術は、複雑な形状や内部構造を持つ製品の製造に活用されています。デジタルデータをもとに立体形状を造形できるため、製品のデザインや構造設計に合わせたものづくりを実現する手段の一つです。
今回紹介するのは、フットウェアスタジオ「MAGARIMONO」が展開する「alpha」シリーズの製造事例です。
スニーカー「alpha-001」とブーツ「alpha-002」の2モデルで構成される同シリーズでは、ソールに連続した曲面からなる「ジャイロイド構造」を採用しています。
この製品の製造には、APPLE TREE株式会社が提供する3Dプリント製造サービス「DeepMaker」が活用されています。
本記事では、MAGARIMONO独自の構造設計やPU素材を用いた造形に着目しながら、複雑な形状を持つ製品の製造における3Dプリント技術とDeepMakerの活用について解説します。
目次
■ MAGARIMONOの「alpha」シリーズとは

MAGARIMONOは、先端的なテクノロジーや数理アルゴリズムを取り入れ、素材や製法を新たな視点から捉え直すフットウェアスタジオです。
3Dプリンターを活用したスニーカーコレクション「MAGARIMONO Originals」など、独自の発想を取り入れたフットウェアを展開しています。
今回の「alpha」シリーズは、スニーカー「alpha-001」とブーツ「alpha-002」の2モデルで構成されています。
両モデルのソールには、連続する曲面によって形成されるジャイロイド構造が採用されています。
この構造を靴の形状に合わせて設計し、実際の製品として造形するには、構造を生成するための設計手法に加え、複雑な形状を再現できる製造技術が必要です。
「alpha」シリーズは、MAGARIMONO独自の構造設計と3Dプリント製造を組み合わせ、複雑な曲面構造をフットウェアに取り入れた事例です。
■ ジャイロイド構造とは?
ジャイロイドは、三次元空間を二つの領域に分ける、連続した極小曲面の一種です。
複雑な曲面が空間全体に広がる構造であり、数学的な形状設計や材料・構造の研究など、さまざまな分野で活用が検討されています。

3Dプリント技術と組み合わせることで、こうした複雑な形状をデジタルデータから造形できます。
製品の外形だけでなく内部構造も設計できるため、複雑な曲面や格子状の構造を持つ製品にも応用されています。
一方、既存のジャイロイド構造を靴のソールのような自由な形状に適用する場合、構造の一部が製品の外形からはみ出すことがあります。
その部分を単純に切り落とすと、曲面が途切れ、構造の連続性が失われる場合があります。
そのため、複雑な曲面構造を製品に応用するには、既存の構造を配置するだけでなく、製品の形状に合わせて構造を設計することが重要です。
■ 靴の形状に沿って構造を生成する独自の設計手法
MAGARIMONOでは、ジャイロイド構造を靴のソールに適用するため、独自の設計手法を採用しています。
具体的には、ソールの形状に合わせて空間を分割し、独自の数理アルゴリズムを用いることで、靴の外形に沿った構造を生成します。
既存のジャイロイド構造を単純に切り取るのではなく、ソールの形状を考慮して構造そのものを生成することが、この手法の特徴です。
これにより、ソールの縁まで曲面が連続する構造を実現しています。
このような設計では、製品の外形と内部構造を一体的に考えることが重要になります。
また、設計データ上で複雑な構造を生成できても、それを実際の製品として造形できるとは限りません。
形状や材料に適した造形方法を選び、設計データを実際の製品へとつなげる必要があります。
「alpha」シリーズでは、MAGARIMONOが独自に設計したジャイロイド構造を、3Dプリント技術によってフットウェアのソールとして造形しています。
■ PU素材を用いた3Dプリント製造
「alpha」シリーズのソールは、PU素材を用いた3Dプリント技術によって造形されています。
PU(熱可塑性ポリウレタン)は、熱可塑性樹脂の一種です。
材料の種類や配合、造形条件などによって特性は異なりますが、一般に柔軟性や弾性を持つ材料として知られ、靴底や柔軟性が求められる部品などに利用されています。
3Dプリントでは、デジタルデータをもとに立体形状を造形するため、複雑な曲面や内部構造を持つ形状にも対応できます。
材料や造形方式に応じた条件を設定することで、設計データに基づいた製品づくりが可能になります。
「alpha」シリーズでは、MAGARIMONOが設計したジャイロイド構造をPU素材で造形することで、複雑な曲面構造を持つソールを製品として形にしています。
なお、実際の製品の特性は、使用する材料や造形条件、設計などによって異なります。
3Dプリントを製品開発に活用する際には、用途に応じた材料選定や造形条件の検討が重要です。
■ DeepMakerによる3Dプリント製造支援
今回の「alpha」シリーズの製造には、APPLE TREE株式会社が提供する3Dプリント製造サービス「DeepMaker」が活用されています。
DeepMakerは、3Dプリント技術を活用した製品の製造を支援するサービスです。
3Dプリント技術を自社のものづくりに取り入れたい企業に対し、製品の製造を通じて幅広いニーズに応えます。
3Dプリント製造では、製品の形状や構造、使用する材料などに応じて、適切な造形方法を検討することが重要です。
特に、複雑な曲面や内部構造を持つ製品では、設計データを実際の造形につなげるための製造面での検討が欠かせません。
今回の事例では、MAGARIMONOが独自の設計手法によって生成したジャイロイド構造を、PU素材を用いた3Dプリント技術で造形しています。
MAGARIMONOによる構造設計と、DeepMakerを通じた3Dプリント製造を組み合わせることで、複雑な曲面構造を持つフットウェアの製造を実現しました。
このように、3Dプリント製造サービスを活用することで、製品の設計を担う企業が自社のアイデアや技術を生かしながら、製造工程に3Dプリント技術を取り入れることができます。
DeepMakerでは、3Dプリント技術を活用した製品開発や製造を支援しています。
▼ 3Dプリント製造サービス「DeepMaker」
■ 3Dプリント製造の活用に向けて
「alpha」シリーズの事例は、独自の構造設計によって生み出された複雑な形状を、3Dプリント技術で実際の製品へとつなげた取り組みです。
3Dプリント技術を活用する際には、製品のデザインだけでなく、構造設計や材料の特性、造形条件などを踏まえて製造方法を検討することが重要です。
製品ごとの要件に応じて技術を活用することで、従来とは異なる形状や構造を持つ製品の製造につながります。
APPLE TREE株式会社では、3Dプリンターや関連機器の提供に加え、3Dプリント製造サービス「DeepMaker」を通じて、企業のものづくりを支援しています。
複雑な形状を持つ製品の製造や、3Dプリント技術の活用をご検討の際は、ぜひDeepMakerをご活用ください。
株式会社MAGARIMONOについて
株式会社MAGARIMONOは、先端的なテクノロジーと数理アルゴリズムを駆使し、素材や工法を新たな視点から捉え直すことで、次世代のファッションを探求するフットウェアスタジオです。3Dプリンターを活用したスニーカーコレクション「MAGARIMONO Originals」をはじめ、独創的なフットウェアを発表しています。
会社名:株式会社MAGARIMONO
代表者:代表取締役 津曲 文登
所在地:東京都台東区浅草7丁目5-6 浅草三和ビル2F
設立:2020年5月
お問い合わせ:info@magarimono.com





