スマホで使える3Dスキャナーアプリと業務用3Dスキャナーを比較!
- 3Dスキャナー
- 2024.6.18
- メリット・デメリット
3Dスキャナーには、スマートフォンを使って手軽に使える3Dスキャナーアプリと、高精度な業務用3Dスキャナーがあります。
趣味で3Dモデリングをしたいのか、業務で活用したいのか、目的によって最適な選択肢が変わってきます。
この記事では初心者でも分かりやすいように、3Dスキャナーアプリと業務用3Dスキャナーを比較しながら、特徴や違いを詳しく解説していきます。
自分のニーズに合った製品を見つけられるよう、ぜひ参考にしてみてください。
目次
3Dスキャナーアプリと業務用3Dスキャナーの違い
スマートフォンで使える3Dスキャナーアプリと業務用3Dスキャナーを、下記5つの観点から比較します。
- 導入コスト
- スキャン精度
- 使いやすさ
- 機能性
- 活用例
スマホアプリと業務用の3Dスキャナーのどちらを使おうか悩んでいる方は、参考にしてください。
導入コスト
価格 | |
3Dスキャナーアプリ | 無料〜数千円/月 |
業務用3Dスキャナー | 数万円〜数百万円 |
スマートフォンで使える3Dスキャナーアプリは、安いものだと無料で利用できます。
一方で、業務用3Dスキャナーの価格は、安くても数万円です。
高性能の3Dスキャナーは数十万円や数百万円するものもあります。
アプリであれば誰でも気軽に試せますが、業務用3Dスキャナーを導入するには予算を確保し、3Dスキャナーを使う練習もしなければならないでしょう。用途や目的に応じて、適切な選択をする必要があります。
スキャン精度
一般的な3Dスキャナーアプリはスマートフォンのカメラを使って3Dデータを作成するため、精度は高くありません。
主にARアプリやゲームなどのエンターテインメント分野で使われることが多く、単なる3Dモデル作成が目的です。
一方、業務用3Dスキャナーは製造業や建設業、医療分野などで活用されるため、ミリメートル単位の高い計測精度が求められます。
歪みや誤差が許容されない高精細な3Dデータの取得が可能です。
使いやすさ
3Dスキャナーアプリはスマートフォンのカメラをかざすだけの簡単な操作で3Dスキャンができるので、技術的な知識がなくても初心者でも扱いやすいのが特徴です。
一方、業務用3Dスキャナーは専門的な機器であり、設置や準備、計測方法、データ処理など、一連の流れを理解する必要があります。
操作方法を習得するための練習が不可欠で、スキャンする対象物によっては環境設定なども必要になるため、一定の練習期間を要します。
機能性
3Dスキャナーアプリの主な機能は、スキャンした3Dデータを表示したり、3Dプリンタ出力用のデータに加工したりすることです。
一方で業務用3Dスキャナーは、高精度な3D計測はもちろんのこと、CADデータ化、寸法検査、解析、リバースエンジニアリングなど幅広い機能を備えています。対象物の形状を詳細に計測し、工業製品の設計や金型製作、建築物の施工管理、医療分野での模型製作など、プロフェッショナルな領域で多様な用途に対応できるのが魅力です。
活用例
3Dスキャナーアプリは個人的な趣味で3Dフィギュアを作品作りをしたり、ゲームの中で3Dキャラクターを作成したりする際に活用されています。
一方で業務用3Dスキャナーは、下記のようなプロフェッショナルな現場で欠かせない存在の1つです。
- 製造業での部品設計や金型製作
- 建設業での施工前の部材の実寸計測や完成後の検査
- 医療分野での義肢の製作 など
高精度な3Dデータが必須の産業分野で活躍しています。
3Dスキャナーアプリと業務用3Dスキャナーはどっちがおすすめ?
3Dスキャナーアプリと業務用3Dスキャナーでは、用途が全く異なります。
下記のような目的をお持ちの方には、スマートフォンで手軽に利用できる3Dスキャナーアプリがおすすめです。
- 趣味で3Dモデルを作成したい
- ARアプリやゲームで楽しみたい
3Dスキャナーアプリは無料または低コストで入手でき、操作も簡単です。
ただし精度は高くないので、ある程度の粗さは許容する必要があります。
一方で製造業や建設業、医療分野などの現場で、高精度な3Dデータが求められる場合は、業務用3Dスキャナーが不可欠です。
確かに導入コストは高額ですが、高精細で歪みの少ないデータを得られ、設計や検査解析など、プロフェッショナルな業務に適しています。
自動車部品設計や建築施工管理、医療用具作成などの高精度が必須な場面で活躍します。
スマホで使える無料の3Dスキャナーアプリ3選
スマホで使える3Dスキャナーアプリにはいくつか種類がありますが、ここでは無料で使える初心者向けのアプリを3つ厳選して紹介します。
まずは3Dスキャナーがどんなものか手軽に試してみたい方は、スマホアプリを使ってみると良いでしょう。
Scaniverse
Scaniverse(スキャニバース)は、iPhoneやiPad、Androidで使える3Dスキャナーアプリで、運営するのはスマホゲームの「ポケモンGO」を手掛けるナイアンテック社です。LiDARスキャンだけでなく、LiDAR非搭載の機種にも対応しています。
使い方はとても簡単で、複数枚の写真を撮影してサーバーに送ると、3Dデータが生成されます。
データ生成速度も、他のアプリと比較して速いのが特徴です。
対応機種 | バージョン14.0以降のiPhone/iPadバージョン7.0以降のAndroid |
スキャンモード | LiDARスキャンフォトグラメトリ3D Gaussian Splatting |
出力形式 | メッシュ:USDZ/FBX/OBJ/GLTF/STL点群:PLY/LAS |
公式サイト | App Store / Googleプレイストア |
RealityScan
RealityScan(リアリティスキャン)は、複数枚の写真から3Dモデルを生成するフォトグラメトリでスキャンする3Dスキャナーアプリです。
オンラインゲーム「フォートナイト」を開発するEpic Games社が子会社と共同開発して誕生しました。
写真撮影にはある程度慣れが必要ですが、自動でオーバーラップを判断して撮影するため、知識不足によるミスのリスクは少ないのが魅力です。
対応機種 | バージョン16.0以降のiPhone/iPadバージョン7.0以降のAndroid |
スキャンモード | フォトグラメトリ |
出力形式 | メッシュ:FBX/USDZ/GLB |
公式サイト | App Store / Googleプレイストア |
Luma AI
Luma AI(ルマエーアイ)は、アメリカ サンフランシスコのAI企業が開発した3Dスキャナーアプリです。
LiDARやフォトグラメトリではなく「NeRF(ナーフ)」と呼ばれる、AIを活用した3D生成技術が搭載されています。
複数枚の写真から撮影していない部分も、AIが補完して3Dモデルを生成します。
撮影時はガイドが表示されるため、3Dスキャナー初心者でも迷わず使えるのが特徴です。
対応機種 | バージョン16.0以降のiPhoneバージョン9以上のAndroid |
スキャンモード | 3DGS |
出力形式 | メッシュ:OBJ/GLTF/USDZ点群:PLY |
公式サイト | App Store / Googleプレイストア |
高精度な業務用3Dスキャナーのおすすめ5選
次は、業務用として活用できるおすすめの高精度な3Dスキャナーを紹介します。
高精度な3Dスキャナーをお探しの方はスマホアプリではなく、3Dスキャナーを導入した方が満足度の高いデータを作成できるでしょう。
3DMakerpro「Seal(シール)」
3DMakerproの「Seal(シール)」は、3Dスキャナーの中でも低価格であるにも関わらず、0.01mmの精度を誇る製品です。
同クラスの3Dスキャナーの最大5倍の解像度でスキャンできます。
また、本体重量は254gと軽く、手のひらに収まるコンパクトサイズです。
スマートフォン並みのサイズ感で、持ち運びにも便利です。
精度 | 0.01mm |
解像度 | 0.05mm |
スキャン可能対象物のサイズ | 10〜300mm |
出力形式 | OBJ/STL/PLY/ASC |
公式サイト | 『Seal』3DMakerpro |
3DMakerpro「Mole(モール)」
3DMakerproの「Mole(モール)」は、近赤外線を光源に使用した3Dスキャナーです。
近赤外線の波長は可視光よりも長く、従来よりも深い領域までスキャンできるため、素材の特性をより正確に捉えられるのが特徴です。
またプロ級の高精度で、形状や細部を正確に捉えて、まるで本物のような3Dモデルを生成できます。
精度 | 0.05mm |
解像度 | 0.1mm |
スキャン可能対象物の最小サイズ | 15mm×15mm×15mm |
出力形式 | OBJ/STL/PLY |
公式サイト | 『Mole』3DMakerpro |
3DMakerpro「Lynx(リンクス)」
3DMakerproの「Lynx(リンクス)」は、高精度・高速・広範囲の三拍子が揃った3Dスキャナーです。
大きな対象物も、素早く正確にスキャンできます。
また、光学スタビライザーと高度な視覚トラッキングによって、マーカーがなくてもスキャンのズレを最小限に抑えられるのが特徴です。
精度 | 0.10mm |
解像度 | 0.30mm |
スキャン可能対象物のサイズ | 100〜2000mm (最大5000mm) |
出力形式 | OBJ/STL/PLY |
公式サイト | 『Lynx』3DMakerpro |
Magic Swift Plus
Magic Swift Plusは販売して以来、数万人のユーザーに高く評価される人気の3Dスキャナーです。
業界最高水準の精度を備え、高品質な深度カメラを搭載したことで、細部まで正確に撮影できます。
また、カラーキットと連携させれば、複雑なカラーや質感を取得して再現することも可能です。
強力な内蔵ソフトウェアが搭載されているため、スキャン後の処理も簡単です。
精度 | 最大0.1mm |
解像度 | 0.25mm |
スキャン可能対象物のサイズ | 300〜2000mm |
出力形式 | OBJ/STL/PLY |
公式サイト | 『Magic Swift Plus』3DMakerpro |
SCANTECH「IREAL 2E」
SCANTECHの「IREAL 2E」は、赤外線を用いて使いやすさを追求した高性能な3Dスキャナーです。
素材への適応性が高く、毛髪のような一般的なハンディー型3Dスキャナーではスキャンが難しい対象物にも対応しています。
また、ユーザーのフィードバックに基づいて常にソフトウェアをアップデートし続け、アルゴリズムを最適化しています。
精度 | 最大0.1mm |
解像度 | 0.2~3mm |
スキャン可能対象物の最大サイズ | 580×550mm |
出力形式 | OBJ/STL/PLY/ASC/SK |
公式サイト | 『IREAL 2E』SCANTECH |
まとめ
3Dスキャナーアプリなら手軽にスキャンできますが、精度は高くありません。
一方で業務用3Dスキャナーは高価ですが、高精細で詳細な3Dデータが得られます。
そして製造業や建設業、医療分野での活用が可能です。
導入コストや精度、使いやすさ、機能性、活用例など、それぞれの特徴をよく理解した上で、自分のニーズにあった製品を選ぶことが大切です。
趣味で楽しむだけなら3Dスキャナーアプリで十分でしょう。
しかし本格的な業務で活用するのであれば、高価でも業務用3Dスキャナーを導入するメリットは大きくなります。
弊社では3Dスキャナーの導入をお考えの方向けに、目的に応じて最適な機器のご提案をしております。
3Dスキャナー選びで失敗したくない方は、お気軽にご相談ください。