【導入事例】Clenaware Systems社:必要な時に必要なパーツをプリント
- 3Dプリンター
- 2024.2.26
- Markforged 導入事例 Mark Two
Clenaware Systems社とは
Clenaware Systems社は、グラスの洗浄、乾燥、皿洗いを専門とする企業です。Northamptonshireに本社があるこの小さなメーカーは、完璧な一杯を作り出すために不可欠な役割を果たすことで事業を築き上げてきました。
「当社は、グラスの洗浄に情熱を注いでいます。ビールや飲料を楽しむには、グラスは最も重要な役割を果たしています」。同社のCEOであるRichard Harris氏はこのように語っています。「グラスの洗い方と乾かし方によって、注がれる飲み物の味や見た目が大きく変わります」
Clenaware Systems社は主要なビール会社に支持、採用されており、グラス洗浄機分野のマーケットリーダーとして、レストラン、パブ、クラブなどに製品を供給しています。
さらに、同社はGogglewash Machinesと付属品も製造しており、これは着用後の3Dメガネを徹底的に効率よく洗浄するために設計されたものです。これらの専用機器は、世界中の主要な3D映画館、映写室、テーマパーク、教育施設、および世界中のアトラクションで主に使用されています。
ホスピタリティ業界以外にも、Clenaware Systems社はその専門技術を活かして、英国の国民保健サービスや医療業界で用いられる熱消毒洗浄機を製造しています。
課題
Clenaware Systems社は、製品とそのパーツの設計、製造、テスト、販売をすべて自社で行うことで、エンドツーエンドのサポートを顧客に提供しています。この自前主義のアプローチによって、同社は優れた品質と顧客サービスの評判を獲得しました。ですが、小規模な会社で世界市場を相手にしているので、開始から完成まですべてを自社で行うためには、Harris氏とそのチームは製品の品質を犠牲にせずに時間を節約する方法を常に探し求める必要があります。
「当社の機械は、約600のパーツで構成されており、そのうち75%が自社設計で、残り25%は市販のものを使っています」と、Harris氏は語ります。「1つのパーツを設計するだけで数週間、場合によっては数か月かかるので、製品のリードタイムが長くなります」
「市販のパーツの調達も、それはそれで時間がかかります。サプライヤーを選択し、請求に対応し、納品を待つ必要があるからです」
「私たちはサプライチェーンを効率化し、手間を省いて製品開発の時間を短縮する方法を探し続けてきました」とHarris氏は語ります。「自社でパーツを設計して製造すれば、サプライヤーに起因する遅れをなくして、 時間を大幅に節約できるはずです」
– Richard Harris氏, Clenaware Systems社 CEO
ソリューション
以前に3Dプリントを少し試してみたことがあったので、Harris氏はこのテクノロジーに投資すればビジネスに役立つ可能性があると判断し、Markforged「Mark Two」デスクトッププリンターを2台購入しました。
「Markforgedのシンプルさが気に入りました」と、Harris氏は言います。「設計からプリントまでが使いやすいシームレスなプロセスになっています。プリンターに作業を指示するだけで、その通りにやってくれます。難しいことは何もありません」
Clenaware Systems社では当初、研究開発のためのプロトタイプや概念実証のプリントにMarkforgedプリンターを使用していましたが、まもなく生産用パーツをプリント向けに再設計し始めました。
「3Dプリントに全力で移行することにしたんです」と、Harris氏は語ります。「可能なパーツは全部3Dプリントすることにしました。プリントするパーツが増えるほど、サプライチェーンの遅れや複雑さといった問題から解放されるからです」
4年前の最初の投資の後で、Clenaware Systems社はさらに13台のMarkforgedプリンターを購入しました。うち8台は「Mark Two」デスクトップ、5台は産業用のMarkforged「X3」です。これに伴い同社は、製品のパーツをプリントするようにビジネスを再構築していきました。
「3Dプリントを活用することで、生産を管理して効率性を実現し、必要なときに必要な方法でパーツをプリントする柔軟性を得ることができます」と、Harris氏は語っています。
まとめ
このテクノロジーに投資し始めてからの4年間、Clenaware Systems社のチームは、3Dプリンターの使用方法を洗練するために努力してきました。すべてのパーツをプリントできるとしても、それが最善とは限らないことに気づいたからです。
「取り組みの過程で多くのことを学びました。どの部分で3Dプリントがビジネスに最も大きなインパクトを与え、どの部分はサプライヤーと協力した方がいいのかがわかるようになってきました」と、Harris氏は教訓を語ります。
Clenaware Systems社は、製品の製造に必要なパーツを設計してプリントすることで、ツールのコストを大幅に減らし、サプライチェーンでの欠品や遅れに悩まされないために、Markforgedを利用して少量のパーツをオンデマンドでプリントしています。
パーツの75%をMarkforgedテクノロジーでプリントすることで、Clenaware Systems社はAirack™グラス乾燥機の製造時間を約10%~15%短縮しました。グラス類を短時間で効果的に乾燥できるAirackは、同社の主力製品の1つです。
「Airackグラス乾燥機は、全世界向けに毎月数百台出荷されています」と、Harris氏は語ります。「Markforgedのおかげで、製品を『ジャストインタイム』モデルで設計し、製造できるようになりました。必要なときにパーツをプリントすることで、より迅速に注文に応じられます。これにより、貴重な時間だけでなく、工場の保管スペースも節約できます」
– Richard Harris氏, Clenaware Systems社 CEO