3Dデータの作成方法5選を紹介!おすすめの作り方はどれ?
- 3Dプリンター
- 2024.5.27
- 3Dデータ
3Dデータの需要が高まる中、自分でデータを作成したいと考える人も多いのではないでしょうか。
3Dデータの作成方法には、いくつかの選択肢があります。
それぞれの方法には特徴があり、目的に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。
ここでは、3Dデータ作成の5つの方法を詳しく解説し、それぞれの特徴や利用シーン、おすすめのツールなどを紹介します。
3Dデータ作成に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
3Dデータの作成方法5選
3Dデータを作成する方法は、下記の5つです。
- 3DCADを使って作成する
- 3DCGを使って作成する
- 3Dスキャナーを使って作成する
- 3Dデータ配布サイトからダウンロードする
- 3Dデータ作成代行サービスを利用する
作成方法に関わらず、3Dデータを作成する前にまずは作りたいモデルをイメージする必要があります。
そして、3Dデータ配布サイトからダウンロードする方法以外は、あらかじめ素材となる写真やイラスト、実物を用意しなければいけません。
ここでは、5つの3Dデータを作成する方法を具体的に解説します。
3DCADを使って作成する
3DCADはスケッチと呼ばれる線画に対して高さや奥行きを定義して、立体データを形成する設計支援ソフトウェアです。
スケッチや立体は数値で精密に形成でき、より正確に3Dデータを作れるのが特徴です。
3DCADを使えば出力したいモデルの強度や質量も自動で計算してくれるため、効率的に作成できます。
3DCADで3Dデータを作成するには、まずはソフトウェアをインストールする必要があります。
インストールした後は3DCADソフトで主にソリッド・サーフェス・ワイヤーフレームの3つの表現方法を使って、出力したいモデルをデザインしていきます。
3DCADの表現方法 | |
ソリッド | 点と線を使って立体を作成する方法内部の詰まった立体を作成できる |
サーフェス | 点と線、面を使って立体を作成する方法紙のようなペラペラの形状を作成できる |
ワイヤーフレーム | 点と線を使って輪郭を作成する方法輪郭線のみでジャングルジムのような図形を作成できる |
おすすめの3DCADソフト
おすすめの3DCADソフトは、下記の3つです。
いずれも無料で利用でき、CAD初心者でも直感的に操作できるようになっています。
中でもTinkercadは専門知識がなくても、図形を積み木のように組み合わせていくだけで3Dデータを作成できます。
なおAutodesk Fusionを無料で利用できるのは、個人利用の機能限定版です。
より充実した機能を使うには課金する必要があります。
3DCGを使って作成する
3DCGは、コンピュータを使って3次元の画像やアニメーションを作成する技術です。
3DCGで細かい図形を組み合わせると、滑らかな曲線を表現できるのが特徴です。
その一方で、3DCADのように正確なサイズ感を表現したいときには向いていません。
3DCGを使って3Dデータを作成するには、ソフトを用意する必要があります。
そして、ポリゴンベースやスプラインベースの2つの方法を使って、データを形成します。
3DCGの表現方法 | |
ポリゴンベース | 3DCGで最も一般的な方法三角形や四角形などの多角形(ポリゴン)でモデルを構成する |
スプラインベース | 曲線(スプライン)を使ってモデルを作成する方法滑らかで精密な曲線や曲面を作成できる |
おすすめの3DCGソフト
おすすめの3DCGソフトは、下記の3つです。
Blenderは無料で利用できます。
一方でMetasequoiaは基本的に有料ですが、30日間の試用ライセンスがあり、期間中は全ての機能が無料で利用可能です。
3Dプリンターのおすすめモデリングソフトを厳選!無料・有料どちらも紹介
3Dスキャナーを使って作成する
3Dデータは3Dスキャナーを使えば、簡単に作成できます。
3Dスキャナーは対象物の形状や表面のデータを取得して、3Dデータを作成する装置です。
3Dスキャナーには接触式と非接触式の2種類があり、非接触式の3Dスキャナーはさらに光投影法とレーザー切断方式の2つに分類されます。
3Dスキャナーで3Dデータを作成するには、まずは対象物をスキャンします。
ターンテーブルに対象物を乗せて回転させたり、角度を変えたりしながらさまざまな角度からスキャンすることが重要です。
ただし、ハンディスキャンは技術次第で合成したときの誤差が大きくなるため、必要最低限の回数で正確にスキャンする必要があります。
スキャンが完了した後は、ソフトウェアを使って後処理を行います。
スキャンしてできた点群データをポリゴンデータに変換して、ノイズをきれいにしたりエッジが取れている部分を修復したりします。
そして、穴のないポリゴンデータになったら3Dデータの完成です。
おすすめの3Dスキャナー
おすすめの3Dスキャナーは、下記のとおりです。
3Dスキャナーは性能によって、価格に幅があります。
例えば上記のうち、Moleは10万円以下で購入できますが、IREAL 2Eは本体価格が50万円を超えます。
そのため、ご自身が求める性能に合わせて、最適な機種を選びましょう。
【価格別】3Dスキャナーのおすすめ8選!安い価格で導入できるのはどれ?
個人におすすめの3Dスキャナー3選!選び方や個人で楽しめる活用事例を紹介
ハンディ型3Dスキャナーおすすめ11選!選び方や活用事例を紹介
3Dデータ配布サイトからダウンロードする
3Dデータはご自身で作成するだけでなく、3Dデータ配布サイトに掲載されているSTLファイルをダウンロードして入手することもできます。
STLファイルとは、3Dプリンター用のデータです。
3Dデータ配布サイトからダウンロードしたデータをアレンジして、オリジナルの3Dデータを作成するのも良いでしょう。
ただし、他人が作成した3Dデータのため、商用利用可能かどうかなどのライセンスをしっかりと確認したうえで使用しなければいけません。
おすすめの3Dデータ配布サイト
おすすめの3Dデータ配布サイトは下記の2つで、いずれも無料です。
3Dモデラボは日本国内企業が運営するサイトなので、日本語で大変使いやすい仕様です。
作者が許可していれば、商用利用しても問題ありません。
またThingiverseは、日本語には対応していませんが、登録されているデータ数が250万以上と他のサイトに比べて圧倒的な数を誇ります。
ただし、ライセンスは個人的・非商用目的でのみ利用可能となっています。
3Dプリンター用データを無料ダウンロードできるサイト6選!3Dデータの作り方は?
3Dデータ作成代行サービスを利用する
3Dデータ作成代行サービスは、図面や写真、イラストなどの素材を用意するだけで、3Dデータを作成してくれるサービスです。
プロに依頼すれば、ご自身で3Dデータを作成するよりも高品質のものが仕上がるでしょう。
フィギュアや建築物、製品パーツなど幅広いジャンルに対応しているのもメリットの1つ。
3DCADソフトや3DCGソフト、3Dスキャナーをお持ちでない方も、簡単に3Dデータを入手できます。
おすすめの3Dデータ作成代行サービス
おすすめの3Dデータ作成代行サービスは、下記の2つです。
いずれも3Dデータ1枚から対応しています。
費用は形状や作り込み具合によって変動するので、利用を検討している方はまずは相談してみると良いでしょう。
目的別|3Dデータ作成方法の選び方
5つの3Dデータの作成方法を紹介しましたが、どの方法を選べば良いか悩む方もいるでしょう。
ここでは、3Dデータの作成方法を目的別に紹介します。
正確なサイズのものを作りたい
精密な寸法の造形物を出力したいときは、3DCADが3Dデータの作成に適しています。
例えば下記のようなものです。
- 製品パーツ
- 建築模型
- 医療用インプラント
- 義肢デザイン など
3DCADは小数点以下の数値を設定できるので、精密なパーツやサイズの3Dデータを作成できます。
いくつものパーツから成り立つものを作りたい
3DCGは自由度が高く、いくつものパーツから成り立つ形状を作成したいときに適したツールです。
例えば下記のようなものです。
- フィギュア
- サイズ感が重要ではないアクセサリー
- インテリア など
3DCADのように正確なサイズ感を表現するのは難しいですが、キャラクターの顔のような微妙なニュアンスを作り込んでいくには3DCGがおすすめです。
実物と同じものを作りたい
3Dスキャンは実在するものを撮影できるので、実物を複製したいときに適した方法です。
3Dスキャナーを使うと、下記のようなモデルを3Dデータにできます。
- 人物
- 美術品
- カスタムフィットの義肢
- リバースエンジニアリング など
一点もので代替品がない場合や今ある製品の異なるサイズのものがほしい場合は、3Dスキャナーで3Dデータを作成すると便利です。
自分では3Dデータを作るのは難しい
3DCADソフトや3DCGソフト、3Dスキャナーを持っておらず、ご自身で3Dデータを作成できない場合は、3Dデータ配布サイトや3Dデータ作成代行サービスを利用しましょう。
3Dデータ配布サイトには、多様なジャンルのデータが掲載されているので、求めているものと類似のデータがあるかもしれません。
中には無料でダウンロードできる3Dデータもあるので、一度探してみると良いでしょう。
一方で3Dデータ作成代行サービスは、写真やイラストなどの素材を用意するだけで3Dデータを作成してもらえますが、費用は高額です。
そのため、初心者には難しい形状の3Dデータを作成したいときに利用を検討すると良いでしょう。
3Dデータの作成に関してよくある質問
3Dデータの作成に関してよくある質問をまとめました。
スマートフォンで3Dプリンター用のデータは作成できる?
スマートフォンでも3Dプリンター用のデータを作成できます。
フォトグラメトリーやLiDARスキャンのような技術を活用すれば、スマートフォンで撮影したデータを3Dデータ化できます。
初心者におすすめの3Dデータの作り方は?
初心者の方はまずは3Dデータ配布サイトにある3Dデータを活用して、3Dプリントを楽しむのも1つの方法です。
ご自身でこだわって3Dデータを作りたい場合は、初心者でも簡単に操作できる無料の3DCGソフト「MeshMixer(メッシュミキサー)」を使ってみると良いでしょう。
専門的な知識がなくても、直感的な操作で3Dデータを作成できます。
まとめ
3Dデータの作成方法は、主に5通りあります。
正確なサイズが必要な場合は3DCAD、自由度の高いデザインには3DCGといったように、目的に応じて使い分けるとより高精度な3Dデータが完成します。
3Dプリントを楽しむために、ぜひ自分に合った3Dデータの作成方法を見つけてみてください。
弊社では3Dプリンターや3Dスキャナー、フィラメントなどを取り扱っております。
貴社の目的に応じて最適な機器の提案や導入、保守サービスも提供しておりますので、ご検討中の方はお気軽にお問い合わせください。