iPadやAndroidのタブレットで動作する3Dモデリングアプリ7選+α
- 3Dプリンター
- 2024.9.25
- メリット・デメリット
3Dモデリングは、かつてはハイスペックなパソコンでしか行えない作業でした。しかし、テクノロジーの進化により、今やiPadやAndroidタブレットでも高品質な3Dモデリングが可能になっています。
本記事では、タブレットで使える優れた3Dモデリングアプリを7つ紹介し、さらにパソコン用の定番ソフトをiPadやAndroidタブレットから使用する方法も含めて解説します。
また、iPadで3Dモデリングをするメリットとデメリットについても詳しく解説するので、タブレット端末で3Dモデリングを検討されている方は、最後までご覧ください。
目次
3Dモデリングツールとは
3Dモデリングツールとは、3次元の立体物をコンピューター上で作成するためのソフトウェアです。これらのツールを使用することで、建築物、キャラクター、製品デザインなど、さまざまな3D オブジェクトが制作可能です。
従来はハイスペックなパソコン上で動作していましたが、技術の進歩により、iPadやAndroidタブレットでも高品質な3Dモデリングが可能になりました。
モバイルデバイス向けの3Dモデリングアプリは、直感的な操作性と携帯性を兼ね備え、プロから趣味で利用する個人まで幅広い層に利用されています。タッチスクリーンやタッチペンを活用すれば、従来のマウス操作ではできなかった新しいモデリング体験を味わうことができるでしょう。
タブレット端末で動作する3Dモデリングアプリ7選+α
ここからは、iPadやAndoroidのタブレット端末で動作する3Dモデリングアプリを7つ紹介します。また、8つ目に紹介する「Blender」は、パソコン専用の3Dモデリングソフトですが、ここではタブレット端末から動作させる方法を解説します。
1.Moblo(iOS、Android対応)
Mobloは、家具やインテリアデザインを3Dで簡単に作成できる無料アプリです。iOS、Android両方に対応しており、直感的なインターフェースで初心者でも使いやすいのが特徴です。
基本的には用意されているパーツを操作してモデリングを行っていきます。簡単にゲーム感覚で家具の3Dデータが出来上がります。ただ、本格的な3Dモデリングツールと比較すると、複雑な処理ができない分、見劣りしてしまうかもしれません。
無料版でも基本的な機能は使えますが、プレミアム版ではより高度な機能が利用可能です。DIY愛好家やインテリアデザイン初心者にとって、アイデアを形にする強力なツールとなるでしょう。
2.SketchUp Go(iOS対応)
SketchUp Goは、iPadやWebブラウザで使用できる本格的な3Dモデリングアプリです。iPadアプリは直感的なタッチ操作やApple Pencilに対応しています。
主な機能には、3Dモデルのスケッチやマークアップ、カメラを用いたテクスチャの作成、3D Warehouseへのアクセスなどがあります。クラウド同期により、デバイス間でプロジェクトを共有できるのも特徴です。
SketchUp Goは7日間の無料トライアルが利用可能で、その後はサブスクリプション形式での購入が必要です。ただし、ビューア機能のみであれば無料のSketchUp Viewerで利用できます。
プロフェッショナルからホビーユーザーまで幅広く使える本格的なツールですが、デスクトップ版と比べると一部機能に制限があることに注意が必要です。
3.Valence 3D(iOS対応)
Valence 3Dは、iPadとiPhone向けに開発された強力で使いやすい3Dモデリング・デザインツールです。初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに対応し、建築、ゲーム開発、デジタルファブリケーションなど多様な分野で活用されています。
主な機能には、15種類の基本形状、OBJ、STL、USD、USDZなどの形式でのインポート・エクスポート、直感的な変形ツール、高度なモデリング機能が含まれます。制作されたモデルは、AR Quicklookによって2回タップするだけで、ARによるプレビューが可能です。
ユーザーインターフェースは、iPadとiPhoneに最適化されており、ツールの表示やジェスチャーによる簡単なナビゲーションは、初心者にもわかりやすいものになっています。また、買い切り型のアプリなので、一度購入すれば追加費用なしで使用できる点も魅力です。
4.Shapr3D(iOS対応)
Shapr3Dは、iPadとApple Pencilに最適化された高性能な3Dモデリングアプリです。直感的な操作性と専門的な機能を兼ね備えており、セミプロからプロフェッショナルまでのエンジニアや工業デザイナーが主な対象です。
主な特徴として、精密な3Dモデリング、2D図面作成、多様なファイル形式のインポート・エクスポート機能があります。また、クラウド同期により、デバイス間でプロジェクトを共有できます。
無料版でも基本的な3Dモデリング機能は使用可能ですが、Pro版ではより高度な機能や書き出し形式が利用可能です。年間サブスクリプション形式で提供され、製造業や工業デザイン分野でも活用されています。
5.3D modeling: Design my model(iOS対応)
3D modeling: Design my modelは、iPhoneとiPad向けの直感的な3Dモデリングアプリです。ジェスチャー操作を活用し、Apple Pencilにも対応しています。
主な機能には、オブジェクトや視点の移動・回転・拡大縮小、頂点・エッジ・面の選択と編集、テクスチャペイント、UVエディタ、頂点カラーペイントなどがあります。また、彫刻ツールや20種類のマテリアル適用、.objファイルのインポート・エクスポートにも対応しているのも特徴です。
初心者でも使いやすいよう設計されており、各ツールの使用方法を解説するビデオチュートリアルも用意されています。基本的な機能は無料で利用可能ですが、より高度な機能はプレミアム版で提供されます。
6.Prisma3D(Android対応)
Prisma3Dは、Androidデバイス向けの多機能3Dモデリングおよびアニメーションアプリです。このアプリは、3Dモデリング、キャラクターリギング、アニメーション、レンダリングなど、幅広い機能を提供しています。
主な特徴として、多様なモデリングツールによるカスタム3Dモデルの作成、キーフレームを使用したオブジェクトのアニメーション、ジョイント作成とスキニングによるキャラクターリギング、カスタムフォントを使用した3Dテキストの作成などがあります。
また、モバイルデバイス上で高速レンダリングが可能で、最新のデバイスでは1080pや4K解像度までサポートしています。さらに、異なるタイプの照明設定も可能です。
7.Qubism(Android対応)
Qubismは、Android向けのシンプルで使いやすい3Dモデリングアプリです。タッチスクリーンに最適化された直感的なインターフェースにより、素早く簡単に3Dモデルを作成できます。無料でダウンロードでき、信頼性の高いサーバーから常に最新版が入手可能です。
主な特徴として、基本的な3D形状の作成、オブジェクトの移動・回転・拡大縮小、テクスチャの適用などが可能です。また、STEP、IGES、STL、OBJ、3DSなど、多様なファイル形式のインポート・エクスポートに対応しています。
アイデアを素早く3Dモデル化したい初心者や趣味で使いたい人は、Qubismを使用してみるといいでしょう。
8.Blender(リモートデスクトップ使用)
ここまで紹介したアプリは、直接iPadやAndoroidタブレットにダウンロードして使用するツールです。ここで紹介するBlenderは、通常、パソコン上で使用する無料のハイスペックソフトです。
映画制作からゲーム開発まで、幅広い分野で使用されているソフトで、モデリング、シミュレーション、デジタル合成、テクスチャ作成といった3DCG制作に必要な機能が全て揃っています。
通常の方法では、iPadやAndoroidタブレットでは使用できません。ただし、リモートデスクトップサービスを使用すれば、パソコンにインストールされたBlenderを遠隔操作可能です。リモートデスクトップサービスはツールによって機能や料金が異なります。ご自身の環境に合わせて、適切なツールを選ぶようにしてください。
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iPadで3Dモデリングを行うメリット
iPadで3Dモデリングを行う代表的なメリットは以下の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
持ち運びができてどこでも使用できる
iPadでの3Dモデリングの最大のメリットは、持ち運びが容易で、どこでも使用できる点です。カフェや公園、自宅など、好きな場所で3Dモデリングを行うことができます。
Wi-Fi環境さえあれば、クラウドにアクセスしてプロジェクトを保存・共有することも可能です。外出先でもスムーズに作業を続けられるため、急にアイデアを思いついた時でも、忘れないうちにすぐに形にすることができます。
直感的な操作でモデリングが行える
iPadでの3Dモデリングの大きな利点は、直感的な操作性です。タッチスクリーンを使った操作は、従来のマウスとキーボードよりも自然な感覚でモデリングができます。
指で直接オブジェクトを操作し、回転、拡大縮小、変形などが容易に行え、ジェスチャー操作を活用すれば、細かい調整も直感的に行えます。これにより、初心者でも短時間で基本的な操作を習得でき、3Dモデリングを手軽に行えるようになるでしょう。
Apple Pencilが使える
Apple Pencilは、iPadでの3Dモデリングにおいて非常に重要なツールです。このペンを使用すれば、より精密で直感的な操作が可能となります。
特に、手描きのように自由に線を引いたり、オブジェクトを細かく編集したりできるアプリでは、Apple Pencilの筆圧感知機能によって、描画の太さや濃さを変えることができます。これにより、初心者でも簡単に表現力の高い3Dモデリングを楽しむことができ、プロも驚きの仕上がりを実現できるでしょう。
iPadで3Dモデリングを行う3つのデメリット
一方でiPadで3Dモデリングを行うデメリットも存在します。具体的な3点について紹介します。
パソコンと比べると処理能力で劣る
iPadは携帯性に優れている一方で、パソコンと比較すると処理能力で劣る点がデメリットのひとつです。高負荷な3Dモデリング作業では、レンダリング時間が長くなったり、複雑なモデルの操作がスムーズに行かなくなる可能性があります。
また、メモリやストレージの容量もパソコンより少ないことが多く、大規模なプロジェクトや多数のアプリを同時に扱うには不向きです。ただし、最新の高性能タブレットでは、この差は徐々に縮まってきており、一般的な3D作業であれば十分対応できるようになっています。
画面サイズが小さい
パソコンと比べると、iPadはどうしても画面サイズが小さくなってしまうのがデメリットです。画面スペースが限られていると、詳細なモデルを表示したり、複雑な操作を行ったりする際に視認性が低下してしまいます。
特に、細かいディテールや微調整が必要な作業では、拡大・縮小を頻繁に行う必要があるため、画面サイズが小さいと効率が悪くなってしまいます。また、同時に表示できるツールやパネルも限られるのも難点です。プロフェッショナルな場面では、大画面が使用できるパソコンでのモデリングが好まれます。
ソフトウェアに制限がある
iPadで利用できる3Dモデリングアプリは、パソコン用のソフトウェアと比べると機能に制限があることが多いです。高度な編集ツールや複雑なシミュレーション機能、大規模なプロジェクト管理機能などが制限されている場合があります。
これらの制限は、ハードウェア性能や操作性の違いに起因しているため、プロフェッショナルな用途では、タブレットアプリを補完的に使用し、主要な作業はパソコン用ソフトウェアで行うことが一般的です。
まとめ
iPadやAndroidタブレットの3Dモデリングは、技術の進歩により急速に発展しています。本記事で紹介した7つのアプリは、それぞれ特徴があり、初心者からプロまで幅広いニーズに対応しています。
場所を選ばず直感的な操作で3Dモデリングが可能となったのは、iPadやAndroidタブレットのおかげです。しかし、処理能力や画面サイズ、ソフトウェアの制限など、デメリットも存在します。
iPadやAndroidタブレットでの3Dモデリングを検討されている方は、メリット・デメリットを理解した上で、用途に応じて適切なツールを選択しましょう。