業務用3Dプリンターのメーカーとおすすめ機種を紹介!失敗しない選び方は?
- 3Dプリンター
- 2024.1.30
- 業務用3Dプリンター 選び方
3Dプリンターをビジネスの場で活用し、日々の業務効率の向上を測る企業が増えていますものづくりを行う現場では、低価格な家庭用3Dプリンターよりも、より精度が高い業務用3Dプリンターがおすすめです。この記事では、業務用3Dプリンターの選び方やおすすめ機種などを紹介します。業務用3Dプリンターの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
業務用3Dプリンターとは
3Dプリンターは、金属や樹脂を材料として立体的な造形物を作り出す機械です。これまでは切削や射出成型でしか作れなかった立体型のものが、3Dプリンターの出現により、その場で出力できるようになりました。業務用3Dプリンターは、主に医療機器や航空宇宙部品、自動車部品などの製造現場で使用されています。企業が業務用3Dプリンターを導入する理由は、試作品や模型を作成するための外注費削減・納期短縮につながるからです。最近は、製造を効率化するための工具である冶具や最終部品の製造でも導入されています。
業務用と家庭用の違い
3Dプリンターには家庭用と業務用がありますが、異なる点は下記のとおりです。
- 価格
- 機能性
- 造形物の品質など
家庭用3Dプリンターはインターネットなどで、数万円程度で購入できますが、業務用は数十万円から数百万円と高額です。それだけ機能性や造形物の品質も、業務用の方が優れています。
失敗しない業務用3Dプリンターの選び方
3Dプリンターを選ぶ際は、ただ導入するのを目的にするのではなく、有効活用できるものを選ぶことが大切です。これから紹介する業務用3Dプリンターの選び方を把握したうえで、業務で最大限に活用できる3Dプリンターを選びましょう。
予算・設置場所を決める
3Dプリンターを導入すると、導入コストがかかるのはもちろんのこと、部品や消耗品などのランニングコストもかかります。また、不安定な場所に設置すると加工精度が落ちるため、設置場所を考えたうえで機種を選ばなければいけません。さまざまな機種を検討した結果、予算に合う3Dプリンターが見つからない場合もあるかもしれません。弊社ではお客様に最適なメーカーや機種をご提案しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
用途・目的を決める
3Dプリンターを1台導入するとさまざまな用途で活用できますが、主な用途が定まっていないと費用対効果が出せない可能性があります。そのため、まずは具体的な用途を考えましょう。
- 形状を確認する程度の簡易的な試作品
- ある程度の強度の強い機能的な試作品
- 冶具・工具の試作
- 最終製品の製造 など
上記のように、使用する目的によって、最適な業務用3Dプリンターの種類は異なります。用途が決まったあとは、その用途に合ったスペックの3Dプリンターを選んでいきましょう。
用途に合った造形方式を選ぶ
3Dプリンターの造形方式は、造形物の品質に大きく影響する部分です。主に下記の造形方式があります。
- 熱溶解積層方式(FDM方式・FFF方式)
- 光造形方式(SLA方式)
- 粉末焼結積層方式 など
造形方式自体に良い・悪いがあるわけではなく、用途に合っているかを確認することが大切です。例えば熱溶解積層方式は、1つの造形で材料の使い分けができるメリットがある一方で、造形物の表面に積層痕ができるデメリットがあります。光造形方式は造形精度・表面品質が優れている反面、後処理工程が熱溶解積層方式よりも遅い点がデメリットです。また、粉末焼結積層方式は材料の再利用で効率的に生産できますが、他の方式と比較して材料の切り替えが簡単ではありません。
最大造形サイズを確認する
用途で造形方式を絞り込んで導入する3Dプリンターをある程度絞り込んだあとは、1回にプリントしたい造形品のサイズを確認しましょう。最大造形サイズが大きい3Dプリンターは機械自体が大きく、導入価格も高くなります。
また、複数のモデルを配置して、一度に複数個の造形物を出力したい場合は、小型の3Dプリンターを複数導入して、生産効率を上げる方法もあります。大型の3Dプリンター1台と小型の3Dプリンターを数台導入する場合では、導入コストやランニングコストに差が出る場合も少なくありません。
造形設定ノウハウを持つ販売会社で購入する
3Dプリンターを稼働させるうえで、導入設定は重要な要素です。3Dプリンターを導入しても造形設定がうまくできなければ、理想の造形物は仕上がりません。社内に3Dプリンターの運用ノウハウがあれば問題ありませんが、ない場合は造形設定のノウハウを持つ販売会社から購入するのも方法の1つです。販売会社にサンプル造形を依頼する際は、どのような造形設定で出力したのかを質問してみると良いでしょう。弊社では企業・教育機関別に用途に合わせて、最適な3Dプリンターを提案しております。サンプル造形も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
業務用3Dプリンターの主要メーカーとおすすめ機種
数ある業務用3Dプリンターの中から、主要メーカーとおすすめ機種6つを紹介します。どれも弊社でも取り扱いのある機種なので、お見積りをお出しすることも可能です。
FLASHFORGE(フラッシュフォージ)
FLASHFORGEは、デスクトップ型パーソナル3Dプリンターを製造・販売するメーカーです。家庭用から工業用まで幅広い3Dプリンターのラインナップを取り揃えています。
Creator4S
Creator4SはFLASHFORGE製の熱溶解積層方式の3Dプリンターの中でも、最上位のモデルです。カーボンファイバーや一部のスーパーエンプラなど幅広い素材に対応し、試作品だけでなく最終製品の製造もできます。デュアルエクストルーダー・ヒートチャンバー機能を搭載しており、複雑な形状の大型印刷にも対応しています。庫内の温度・湿度管理もできるため、室温・湿気が高い場所で使用しても問題ありません。
モデル名 | Creator4S |
最大造形サイズ | 400×350×500mm |
最高造形速度 | 200mm/s |
最高ノズル温度 | HT320℃ / HS:360℃ / F:265℃ |
対応フィラメント | PLA、ABS、PETG、PC、PA、PBAT、TPU、PVA、HIPS、PA-CF、PETG-CF、PLA-CF など |
本体サイズ / 重量 | 840×675×1050mm / 90kg |
Guider3 Ultra
Guider3 Ultraは、軽量かつ安定した構造設計を採用した機種です。最高造形速度は500mm/sと、Guider3よりもさらに速いスピードで印刷できます。また、デュアルエクストルーダーを搭載しているため、複雑なモデルも超高速で効率的に製造可能です。大型サイズのモデルでも、1日で印刷できます。独自のエクストルーダー振動抑制アルゴリズムを用いたことで印刷中の振動を補正し、造形物の表面荒れの軽減に成功しました。
モデル名 | Guider3 Ultra |
最大造形サイズ | 330×330×600mm |
最高造形速度 | 500mm/s |
最高ノズル温度 | 350℃ |
対応フィラメント | PLA、PETG、ABS、ASA、PA、PC、PLA-CF、PETG-CF、PA-CF など |
本体サイズ / 重量 | 635×550×1070mm / 70kg |
Guider3
Guider3はCore-XY構造を採用しており、最高250mm/sの高速印刷を実現した機種です。比較的小型でありながらも、広い造形スペースを確保しています。また、材料はPLAやABSだけでなく、PCやPAのようなエンプラ素材にも対応しています。さらに、ガラスプラットフォームとフレキシブル鋼板プラットフォームの2種類を採用し、使い分けることでさまざまな印刷ニーズに対応可能です。
モデル名 | Guider3 |
最大造形サイズ | 300×250×340mm |
最高造形速度 | 250mm/s |
最高ノズル温度 | 320℃ |
対応フィラメント | ABS/PLA/PC/PA/ASA/PETG/PA-CF/PLA-CF/PETG-CF など |
本体サイズ / 重量 | 496x436x696mm / 28kg |
Markforged(マークフォージド)
Markforgedは、世界で初めてカーボンファイバーを使用して、金属並みの強度の造形物を出力できる3Dプリンンターを開発したメーカーです。自動車や航空宇宙、医療、消費者向けの製品など幅広い業界で活用されています。
FX20
FX20は84Lにビルドチャンバーを備え、3Dプリンターの中でも最も大きな造形スペースを持っているのが特徴です。パーツを分解しなくても、一体化した状態で大型の商品を造形できます。また、強度や耐熱性に優れたフィラメント「ULTEM 9085」に対応しているうえに、Markforgedの独自技術も加えて、さらに強度を高めることも可能です。
モデル名 | FX20 |
最大造形サイズ | 525×400×400mm |
積層ピッチ | 50μm~250μm |
対応フィラメント | Onyx™、Onyx FR™、カーボンファイバー、ULTEM™ 9085 ※一部抜粋 |
本体サイズ / 重量 | 1325×900×1925mm / 530kg |
FX10
FX10は、MarkforgedのX7の成功をもとに開発された、次世代産業複合材3Dプリンターです。強度・精度が高い部品を安定して提供できます。プリントヘッドに取り付けられた光学センサーで、部品の寸法精度や座バイスの状態を評価・検証し、校正や材料交換は自動で行います。ユーザーの作業負担軽減により、作業工程を迅速に進められて、生産性を飛躍的に向上できる多機能ツールです。
>モデル名 | FX10 |
最大造形サイズ | 375×300×300mm |
積層ピッチ | 125μm~250μm |
対応フィラメント | Onyx™、カーボンファイバー |
本体サイズ / 重量 | 760×640×1200mm / 109kg |
Mark Two
Mark Twoはデスクトップ型のカーボンファイバー3Dプリンターです。Mark Twoは、Markforgedの独自技術を用いてプラスチック素材のOnyxなどで外部を補い、内部をカーボンファイバーで補強します。一般的なFFF式の3Dプリンターでは取り扱えない素材を使用することで、優れた強度や剛性、耐久性を持つ造形物を出力できます。また、比較的小型のサイズで、省スペースでも設置可能です。
モデル名 | Mark Two |
最大造形サイズ | 320×132×154mm |
積層ピッチ | 100μm~200μm |
対応フィラメント | Onyx™、Nylon white、カーボンファイバー、Aramid Fiber (Kevlar®)ケブラー ※一部抜粋 |
本体サイズ / 重量 | 584×330×355mm / 16kg |
業務用3Dプリンターに関するよくある質問
業務用3Dプリンターに関するよくある質問をまとめました。
業務用3Dプリンターは中古でも問題なく使えますか?
業務用3Dプリンターは長期間使用できるように開発されており、中古でも使用できます。ただし、中古で購入すると保証がつかなかったり、運用サポートが受けられず十分に活用できなかったりする点がデメリットです。
100万円以下で購入できる業務用3Dプリンターはありますか?
あります。今回紹介した中では、Guider3の本体価格は100万円以下です。
まとめ
業務用3Dプリンターを活用すると、精度が高く最終部品としても問題のない品質の造形物を出力できます。機種によっては高速化も実現しており、大型モデルでも1日以内に製造可能です。業務用3Dプリンターを導入すれば、日々の業務にかかるコストや時間を大幅に削減できるでしょう。弊社では業務用3Dプリンターの導入サポートを行っております。貴社の目的に合う機種を提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。