【2024年度版】無料で使える3Dプリンター向けソフトウェア10選
- 3Dプリンター
- 2024.7.16
技術の進化に伴い、3Dプリンターの需要が高まっています。
自動車や航空宇宙、医療などの事業分野だけでなく、最近では家庭で利用している人も増加傾向です。
ただし、3Dプリンターを購入しても、すぐに造形物を作成できるわけではありません。
実際に3Dプリンターを使用して造形するためには、3Dデータを用意する必要があります。
3Dデータを作成するソフトウェアのなかには、無料でも十分使用できるものもあり、初めての方でも手軽に3Dプリントの世界へ足を踏み入れる手助けになっています。
この記事では、3Dプリンターを楽しむために必要な無料のソフトウェアを紹介します。
目次
3Dプリンター用ソフトウェアの種類
3Dプリンターを使用するためには、主に下記の2種類のソフトウェアが必要です。
- 3Dモデリングソフト
- 3Dスライサーソフト
2種類のソフトウェアについて具体的に説明していきます。
3Dモデリングソフト
3Dモデリングソフトは、コンピュータ上で立体の形状をデザインするためのソフトウェアです。
モデリングソフトにも用途によって3DCADと3DCGの2種類のタイプがあります。
3DCADは、正確な寸法を入力して3次元の設計図をモデリングします。
精度の高い設計が可能であるため、機械設計の用途で活用されることが多いです。
寸法以外にも、体積・表面積・重心といったデータを持っているのも特徴で、精密な製品をモデリングするのに有効です。
3DCGは、CGを使ってデータを作るソフトです。
アニメーションやデザインなどを用いて作成するため、正確な寸法よりも見た目が重視されるアニメやフィギュア、ゲームといった場面で重宝されます。
上記のソフトは3Dデータを作成するために必要ですが、これだけでは3Dプリンターでは使用できません。
3Dスライサーソフト
3Dスライサーソフトは、3Dデータを3Dプリンターで使用できる形式に変換するソフトウェアです。
3DCADや3DCGを用いて作成したデータの代表的な形式が、STLです。
このSTL形式のデータを、3Dプリンターで一層ずつ積み上げていくためのレイヤー状のデータに変換する必要があります。
レイヤー状のデータ形式を「Gコード」と呼び、スライスの間隔、移動速度、フィラメントの温度管理などの細かい設定も同時に行えます。
おすすめの無料3Dモデリングソフト
ここからは、無料で使用できる6種類の3Dモデリングソフトを紹介します。
ただし、なかには無料プランは、使える機能が限られている場合もあります。
まずは無料で使ってみて、機能が物足りない場合は、有料プランも検討すると良いでしょう。
Autodesk Fusion(旧Fusion 360)
Autodesk Fusion(旧Fusion 360)は、Autodesk社が提供する高機能3DCADソフトです。
CADで製図した設計図面を元にNCデータを作成するCAM機能や、性能に問題や課題がないかコンピューターを使ってシュミレーションするCAE機能などがあります。
クラウド形式で使用できるソフトなので、インターネット接続ができる環境であればデータの共有や更新をスムーズに行えます。
CAD初心者から使い慣れている方まで、満足できるソフトです。
タイプ | 3DCAD |
価格(税込) | 法人用:96,800円/年間 ※30日間の無料体験版あり個人用(機能限定版):無料 |
対応OS | Windows / Mac |
STL出力 | 可能 |
公式ページ | Autodesk Fusion |
Tinkercad
Tinkercadは、Autodesk社が提供する完全無料の3D設計・モデリングソフトウェアです。
ブラウザ上で使用できるのが特徴で、ダウンロードやインストールをする必要はありません。
3Dデザインの作成はもちろん、複数ユーザーとリアルタイムでデータを共有したり、3Dデザインのインポート・エクスポートも可能です。
タイプ | 3DCAD |
価格(税込) | 無料 |
対応OS | Windows / Mac / Linux |
STL出力 | 可能 |
公式ページ | Tinkercad |
Designspark Mechanical
Designspark Mechanicalは、アカウントを作成すれば無料で利用できる3DCADです。
初心者にとって、この手のソフトウェアは、使い方がわからないと不安になるかもしれません。
しかし、Designspark Mechanicalはチュートリアル動画やマニュアルなどのサポートが充実しているため、安心して利用できます。
ライブラリには数万点のコネクタやリレーなどの工業部品が保存されているため、インポートして設計に組み込むことも可能です。
タイプ | 3DCAD |
価格(税込) | 無料 |
対応OS | Windows |
STL出力 | 可能 |
公式ページ | DesignSpark Mechanical |
SketchUp
SketchUpは、建築・建設業界での活用場面が多い3DCADソフトです。
建築・建設業界に特化しているため、業界の人には使用しやすい機能を持っています。
2Dプランや3Dウォークスルー、拡張現実表示などの表示方法があるため、利用者を3Dの世界に没入させることができます。
タイプ | 3DCAD |
価格(税込) | SketchUP Free:無料SketchUpGo:119USD/年SketchUpPro:349USD/年SketchUpStudio:749USD/年 |
対応OS | Windows / Mac |
STL出力 | 可能 |
公式ページ | SketchUp |
Blender
Blenderは、初心者が作成する練習レベルの3D画像から、プロレベルのアニメーションにまで対応した3DCGソフトです。
モデリングからレンダリングまで完結できるので、効率よく3Dデータを作成することができます。
世界中で利用されるソフトウェアなので、使用方法などに関する情報がインターネット上に多く存在しています。
そのため、初心者でも扱いやすいでしょう。
タイプ | 3DCG |
価格(税込) | 無料 |
対応OS | Windows / Mac / Linux |
STL出力 | 可能 |
公式ページ | Blender |
MeshMixer
MeshMixerは、初心者にもおすすめの3DCGソフトです。
操作が簡単なので、パソコンの操作に慣れていないお子さまでも問題なく使用できます。
作成したデータを3DCADのAutodeskFusionと連携させれば、より高精度なモデルを造形することも可能です。
タイプ | 3DCG |
価格(税込) | 無料 |
対応OS | Windows / Mac |
STL出力 | 可能 |
公式ページ | MeshMixer |
おすすめの無料3Dスライサーソフト
続いて、3Dモデリングソフトで作成したSTLデータを加工する3Dスライサーソフトを紹介します。
なお、スライサーソフトは、APPLE TREEのFLASHFORGE3Dプリンター専用「FlashPrint 5」や、Markforged専用の「Eiger」のように、各メーカーが自社専用として公開している場合が多いです。ただし専用ソフトは、他メーカーの3Dプリンターで使用できません。
そのため、専用ソフト以外のスライサーソフトを使う場合は、これから紹介する汎用的に使用できるソフトを検討すると良いでしょう。
CURA
CURAは3Dプリンター製造会社であるUltimakerと、そのユーザーコミュニティによって開発された非常に人気の高いスライサーソフトです。
STL、3MF、OBJなど、複数のファイル形式に対応しており、機能面も豊富です。
プラグインを使ってカスタマイズすることもできます。
価格(税込) | 無料 |
対応OS | Windows / Mac / Linux |
公式ページ | UltiMaker Cura |
PrusaSlicer
PrusaSlicerは人気急上昇中のスライサーソフトです。
数少ないSLA、FDMの両方で使用できるソフトで、ユーザーモードが選べるのが特徴のひとつです。
初心者であれば基本的な設定のみを表示させ、使い慣れた人であれば独自の機能を追加することもできます。
価格(税込) | 無料 |
対応OS | Windows / Mac / Linux |
公式ページ | PrusaSlicer |
Slic3r
Slic3rは機能が豊富で、非常に使いやすいユーザーインタフェースが評判のオープンソースのスライサーです。
ユーザーコミュニティが活発で、サポートや情報交換がオープンに行われています。
設定がやや難しいとの声がありますが、趣味からプロフェッショナルまで幅広く利用されています。
価格(税込) | 無料 |
対応OS | Windows / Mac / Linux |
公式ページ | Slic3r |
ChiTuBox
ChiTuBoxは、SLA/DLPマシン用に作成されたスライサーソフトです。
複数の機種のプリセットを登録可能で、サポート材などの細かい設定も可能です。
3Dプリンターでどのように構築されるかレイヤーごとに確認できる、プレビュー機能も搭載されています。
価格(税込) | ChiTuBox Basic:無料ChiTuBox Pro:169USD/年 |
対応OS | Windows / Mac / Linux |
公式ページ | Chitubox |
3Dプリンターのソフトウェアに関してよくある質問
ここでは3Dプリンター用ソフトウェアに関するよくある質問をまとめます。
3Dプリンター用のソフトウェアは初心者にも扱いやすい?
3Dプリンター用のソフトウェアは、初心者にも比較的扱いやすくなっています。
無料で使える3Dモデリングソフトが多数あり、中にはブラウザ上で動作するものや、操作が簡単なものもあります。
多くのソフトウェアが初心者向けのチュートリアルやマニュアルを提供し、ユーザーコミュニティからの情報も豊富です。
また、初心者モードを備えたソフトもあります。
複数のソフトを試して、自分に合ったものを見つけると良いでしょう。
3Dプリンター用のソフトウェアを使うにはどんなパソコンが必要?
3Dデータを扱うため、基本的には高めのスペックが求められます。
ソフトによっては、最低スペックや推奨スペックが表記されています。
ただし、最低スペックレベルのパソコンでは快適には使用できないケースがあるので、推奨スペックを上回るパソコンを用意することをおすすめします。
また、ノートパソコンに比べるとデスクトップパソコンの方が拡張性が高いため、デスクトップパソコンを使う方がいいでしょう。
まとめ
3Dプリンターで造形物を作る際に必要なソフトウェアを紹介しました。
3Dデータを作成するためのソフトウェアは数多くありますが、この記事では無料で使えるソフトを厳選しています。
それぞれを比較して、自分の環境に合うものを選ぶといいでしょう。
また実際に使用される3Dプリンターとソフトの相性も考える必要もあります。
事前にユーザーコミュニティを調べるなどして、活用事例を調べておくのも重要です。
無料でも十分活用できるソフトを使って、自身のアイデアを3D化してみてください。