3D展開図作成におすすめのフリーソフト5選!初心者にも易しいソフトは?
- 2025.2.27

立体物を平面に展開した3D展開図は、製造業や建築業といった分野で欠かせない手法です。現在ではコンピューター上で簡単に作成できるようになり、手作業で作成していた頃から比べるとずいぶん手軽なものとなりました。フリーソフトでも3D展開図が描けるようになり、個人や小規模事業者でも高品質な図面が描けるようになっています。
本記事では3D展開図の基礎知識やおすすめのフリーソフト5選をご紹介します。初心者にとって使いやすいソフトも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
3D展開図とは
3D展開図とは、立体的な形状(3Dモデル)を平面上に展開して表現したものです。箱をハサミで切り開いて、平面に広げた状態をイメージすると理解しやすいでしょう。空間の構造や寸法をより直感的に把握できるため、建築やプロダクトデザインの分野で活用されています。
3D展開図の特徴は、視覚的な分かりやすさです。3DCADソフトを使用すれば、簡単に作成や修正が可能となるため設計プロセスの効率化にも貢献します。
施工者や設計者とのコミュニケーションもスムーズになるため、プロジェクトの品質向上や工期短縮にも有効です。3D展開図は、現代の建築・製造業において不可欠なツールとなっています。

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3D展開図の作成方法
3D展開図を作成する際には、主に以下の3つの方法が用いられます。
- 手作業
- CADソフトウェア
- 専用の展開図作成ソフトウェア
各方法について、順番に見ていきましょう。
手作業
3D展開図の手作業による作成は、今でも用いられる方法です。立体物の各面を平面に展開するイメージを頭に描き、定規とコンパスを使って正確な寸法で図面を描きます。曲面や複雑な形状は、三角法や平行線法などの幾何学的手法を駆使して展開します。
手作業による展開図の作成は時間がかかるものの、製図の基本を学ぶには最適です。小規模なプロジェクトやデジタルツールが使えない環境でも有効です。作業過程で形状の理解が深まるため、予期せぬ問題点を発見できる場合もあります。
ただし、修正や複製には労力がかかるため、大量生産には向いていません。
CADソフトウェア
CADソフトウェアを使用した3D展開図の作成は、効率的で精度の高い方法です。作成した3Dモデルを、ツールに搭載されている機能を使用して展開図を作成します。一般的なCADソフトには、展開図を作成する機能が搭載されている場合が多いです。複雑な形状の場合には、自動的に生成された展開図を手動で調整します。
CADを使用すれば修正が容易で、異なる視点からの図面を素早く生成できるといったメリットがあります。寸法の自動計算や、ほかのソフトウェアとの互換性も高めです。機能を使いこなすには、専門知識と経験が必要なため、ソフトウェアの導入コストも考慮する必要があります。
専用の展開図作成ソフトウェア
専用の展開図作成ソフトウェアは、3D展開図の作成に特化したツールです。複雑な3Dモデルを、簡単に平面展開できる機能を持っています。
3Dモデルをインポートすれば、ソフトウェアが自動的に最適な展開方法を提案します。ユーザーは展開ラインの調整や、のりしろの追加などを細かく設定可能です。
ペーパークラフトや板金加工など、特定の用途に最適化されており、テクスチャーマッピングや印刷用のレイアウト調整といった、実用的な機能も充実しています。汎用CADソフトに比べると、3Dモデリング機能が限定されている点には注意が必要です。
3D展開図作成におすすめのフリーソフト5選
ここからは、3D展開図作成におすすめのフリーソフトを5本紹介します。
- FreeCAD
- Blender
- SketchUp Free
- DesignSpark Mechanical
- Onshape
各ソフトの特徴を詳しく見ていきましょう。
FreeCAD
FreeCADは、多彩な機能を備えているオープンソースのツールです。以下のような幅広いツールを提供し、複雑な3Dモデルの作成が可能です。
- パラメトリックモデリング
- メッシュモデリング
- 2D製図
建築やエンジニアリング分野で特に重宝されており、STEPやIGESなどさまざまなファイル形式に対応しています。Pythonスクリプトによるカスタマイズも可能で、ユーザーのニーズに合わせて機能を拡張できます。
無料でありながら、プロ仕様の機能を備えているため、個人から企業まで幅広く利用されています。
価格(税込) | 無料 |
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対応OS | Windows / Mac / Linux |
公式ページ | 公式ホームページを見る |
Blender
Blenderは、3Dモデリングや動画編集など、多岐にわたる機能を持つ3DCGソフトウェアです。直感的なインターフェースと強力なレンダリングエンジンを備えており、建築分野でも活用されています。
アニメーションやテクスチャリング、シミュレーションなど、3D制作に必要な全ての工程をカバーしているうえに、Pythonスクリプトによるカスタマイズも可能です。無料でありながら、業界標準の機能を提供し、定期的なアップデートで常に最新の技術を取り入れています。
価格(税込) | 無料 |
---|---|
対応OS | Windows / Mac / Linux |
公式ページ | 公式ホームページを見る |
SketchUp Free
SketchUp Freeは、ウェブブラウザ上で動作する3Dモデリングソフトウェアです。直感的な操作性と基本的な3Dモデリング機能を提供し、初心者でも簡単に使いこなせます。
10GBのクラウドストレージが付属しているため、プロジェクトの保存や共有もスムーズに行えます。3Dウェアハウスから多数のモデルのインポートが可能であるため、建築やインテリアデザインに効果的です。
価格(税込) | Web版:無料 Go:119ドル/年 Pro:349ドル/年 Studio:749ドル/年 |
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対応OS | Windows / Mac / Linux / iOS |
公式ページ | 公式ホームページを見る |
DesignSpark Mechanical
DesignSpark Mechanicalは、RSコンポーネンツが提供する無料の3DCADソフトです。直感的な操作で実行できるモデリングにより、CADの専門知識がなくても複雑な形状を作成できます。
以下のような、エンジニアリング向けの機能が豊富です
- 電気設計の簡単なインポート
- 3Dプリント用ファイルのエクスポート
- 協働設計機能
カスタムキーボードショートカットや詳細な図面作成機能も搭載しているため、設計プロセスの効率化に有効です。
価格(税込) | EXPLORER:無料 CREATOR:1,600円/月 ENGINEER:2,400円/月 |
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対応OS | Windows |
公式ページ | 公式ホームページを見る |
Onshape
Onshapeは、リアルタイムコラボレーション機能が特徴のクラウドベースの3D CADソフトウェアです。ブラウザ上で動作するため、専用のハードウェアやメンテナンスが不要です。
パラメトリック設計やアセンブリ管理、2D図面作成といった機能を提供し、3週間ごとの自動アップデートで常に最新の機能を提供します。G2境界面やカスタムキーボードショートカットといった高度な機能も備えており、プロフェッショナルな設計作業に適用可能です。
価格(税込) | Free Plan:無料 Standard Plan:一人当たり1,500ドル/年 Professional Plan:一人当たり2,500ドル/年 Enterprise:要問合せ |
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対応OS | Windows / Mac / Linux / iOS / Android |
公式ページ | 公式ホームページを見る |
以下の記事では、3D設計図をフリーソフトで作成する方法を紹介していますので、併せて参考にしてください。

3D設計図をフリーソフトで作成!4つの方法ごとにおすすめのソフトも紹介
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3D展開図をフリーソフトで作成する際によくある質問
フリーソフトで3D展開図を作成する際によくある質問について回答します。
- 3D展開図が必要な理由は?
- 3D展開図は立体物の構造を平面上で正確に表現するための手法です。製造業では、複雑な形状の部品を把握し、正確に作るのに役立ちます。建築分野では、室内の壁面や天井の配置を視覚的に把握できるため、設計の精度が向上します。
パッケージデザインでは、折り畳み方や組み立て方を明確に示せるので、製品の製造効率が上がります。教育現場では立体図形の理解を深める教材として活用可能です。
- 3D展開図を作成する際にフリーソフトで注意すべき点は?
- 3D展開図作成にフリーソフトを利用する場合は、以下の4点に注意しましょう。
- 無料版は利用可能な機能が限られている
- ファイル形式の互換性を事前に確認する
- 有料版ほどサポートが充実していない
- 商用利用の可否は確認が必要である
当然ながら、フリーソフトや無料プランは、有料版ほどサービスが充実していないため、できることには限りがあります。まずは無料で試してみて、機能が足りない場合は有料版を検討すると良いでしょう。
- フリーソフトで制作できる3D展開図の種類は?
- フリーソフトでも、さまざまな3D展開図を制作できます。
- 立方体や円柱などの幾何学形状の展開図
- 家具の組み立て図
- 建築業の室内の壁面展開図
- 製品パッケージの展開図
- 製造業の機械部品の展開図 など
ただし、複雑な曲面や精密な寸法が必要な専門的な展開図は、フリーソフトでは限界がある場合があります。
まとめ
3D展開図は、立体物を平面上に表現する重要な手法です。本記事では基本概念や作成方法、おすすめのフリーソフト5選を解説しました。
無料で使える高機能ソフトを活用すれば、専門家でなくても質の高い3D展開図を作成可能です。3D展開図は製造業、建築、教育などさまざまな分野で活用されており、その重要性は今後さらに高まっていくでしょう。フリーソフトで3D展開図を作成してみたい方は、この記事を参考にご自身に合うフリーソフトを見つけてくださいね。